2015年7月アーカイブ

下駄は世界に類をみない日本独特のはきものである。

下駄の特色は乾燥しやすい木を使って、地面からわずかに高く足を置いて、靴のように足の甲をけっして包み込まず極めて通風がよい。

足の通風を保つ点ではワラジ、ワラグツも同じである。

日本人がゴム長靴や謬」鋳
 モース先生のスケッチ(左茶の湯の先生宅玄関の下駄箱,右高貴の老婦人の足)
あみあげ靴のような足を包み込むはきものをつくらなかったのは、長靴のように湿気でベトベトになることを避けるためである。

このためむかしの日本人は水虫になやまされなかった。

ところが明治になって欧米の軍隊様式をまねて、長靴の生活を始めてから、たちまち足は水虫の巣になってしまったのである。

いつも地面がぬれている雨の国で泥の国日本では、西洋の靴のように直接地面に接するはきものは不潔であり、不適なのだ。

下駄が地面から離れているのは、家の床が縁の下をはさんで高床になっているのと同じ原理である。

竹内秀樹

光と水と土と緑の、この豊かな国土の自然にはぐくまれた日本民族がこの恩恵になれて、長い歴史の間になぜ怠け者の国民にならなかったのか。

それは日本が天災国日本だったからである。

日本は古来から「地震、雷、火事、おやじ」といわれるほど宿命的な天災を風土として与えられていたのである。

せっかく丹精こめた秋のとり入れも、台風一過、根こそぎ失われることもある。

農民はその翌日から営々として立ち上がらねばならぬ。

常に存在する災害の脅威が人々に貯蓄心を覚えさせ、それに対抗するためのさまざまの知恵を生んだのであろう。

このように日本の風土は光と水といった「慈母の恵み(天恵)」と父親のきびしいムチにも似た「厳父の戒め(天災)」とが同時に用意されて、活気と刺激に富む、勤勉な国民性をつくりあげてきたものと思われる。

竹内秀樹

200カイリ経済水域の設定は、海洋国日本にとって有史以来の致命的な大外圧である。

自由な海が不自由な海となり、広い領海から狭い公海へと、海洋分割の世界史上の大事件なのである。

世界一の海洋国、水産国日本が最も大きな直接的な被害や脅威をうけることは間違いない事実である。

最近のマスコミの論調や世論がおしなべて悲観的になるのは当然である。

ところが日本の歴史の実態からすれば、この海洋法ショックも結果的には危機をテコに飛躍のチャンスにしていくことに気がつくときがあると確信する。

海洋法改正により世界の多くの沿岸国は国土の何倍もの200カイリ経済水域を領有することになるが、果たしてどれだけの国がこの宝の新空間を十分活用することができるだろうか。

アフリカやインドネシアなどは広大な海を所有する海洋国になるのだが、未だほとんどその利用を知らないのだ。

竹内秀樹

日本の海岸線の長さ

日本列島は北海道、本州、四国、九州の四大島のほかに四千有余の属島で構成され、海岸線の長さは約三万キロに及び、これは大国アメリカよりもイギリスよりも長いのである。

海岸線発達率(その国と同面積の円の周で、その国の海岸線の長さを割った値)の高さは文化の尺度になるといわれている。

この点日本は世界有数の国である。

山の垂直肢節とともに海への水平肢節に富む国ということができる。

これが確かに日本を発展させ、今後も発展させる原動力になることはまちがいない事実である。

異国と国境を接した内陸に閉じ込められた内陸国と、四面海に囲まれた海洋国とでは、同じ面積の国土でも、その価値はたいへんな違いである。

竹内秀樹

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